福井愛育病院
Fukui Aiiku Hospital
かつては「かかったら見守るしかない」病気でした。いまは、赤ちゃんを重症化から守る予防のくすり・予防のワクチンが使えます。その選択肢を、ここでわかりやすくご紹介します。
NEW|健康な赤ちゃんにも、エヌフロンシアという選択肢掲載日:2026年10月6日
PROTECT FROM DAY ONE2026年に国内で承認された抗体製剤「エヌフロンシア」は、はじめてのRSウイルス流行期を迎えるすべての新生児・乳児が対象です。体重に関係なく1回の投与で、半年ほど守ります。
当院の新生児室・NICUに
入院中の投与なら
外来での投与(65,000円・税込)より
10,000円 お安くなります
退院前に投与できるので、生まれてすぐの時期から守れて、投与のための通院も必要ありません。
費用・副作用の詳細を見る※自費診療です。料金は2026年10月6日(掲載日)からの取り扱いです。
※入院中の料金(55,000円・税込)は、当院の新生児室・NICUに入院中(退院前)に投与した場合の料金です。すでに退院された方は、外来での投与(65,000円・税込)となります。入院中の投与をご希望の方は、妊娠中(ご出産前)にお申し出ください。
ご来院の前に、必ずお電話ください
エヌフロンシアの投与をご希望の方は、必ず事前にお電話のうえご来院ください。お薬の在庫がない場合があります。
お電話:0776-54-5757
ありふれた、けれど侮れない呼吸器の感染症です。

RSウイルスは、ほとんどの子が2歳までに一度はかかるごくありふれたウイルスです。何度もかかりますが、こわいのははじめてかかったときと、月齢の小さい赤ちゃんです。特に生後6か月未満、早産で生まれた赤ちゃん、心臓・肺の病気、免疫の弱いお子さん、神経・筋の病気のあるお子さんでは、細気管支炎や肺炎を起こして入院が必要になることがあります。
よくある症状
早めの受診を
※流行は従来の秋〜冬に加え、近年は夏〜秋にも見られ、季節が広がっています。
小さな胸を、はじめての流行期から。
守る手立ては、もう私たちの手の中にあります。
「赤ちゃんに抗体を直接わたす」方法と、「お母さんのワクチンで守る」方法です。
RSウイルスをやっつける「抗体」を赤ちゃんに直接投与します(筋肉内注射)。投与したその日から効き始め、数か月間守ります。シナジス・ベイフォータス・エヌフロンシアがこの仲間です。
妊娠中のお母さんが接種すると、抗体が胎盤を通って赤ちゃんに届き、生まれたときから守られます。アブリスボが2026年4月から定期接種になりました。
お子さんの状態によって、使える薬・向いている薬が異なります。
シナジス(一般名:パリビズマブ)
ベイフォータス(一般名:ニルセビマブ)
エヌフロンシア(一般名:クレスロビマブ)
当院とエヌフロンシア
当院は、この薬(エヌフロンシア)の日本国内の治験に、最も多くの赤ちゃんが参加した施設です(当院調べ)。健康な赤ちゃんを対象とした臨床試験の成績は、世界で最も権威ある医学雑誌のひとつ New England Journal of Medicine(2025年) に掲載され、1回の投与でRSウイルスによる入院を約84%減らしたと報告されています。効果や副作用のあらわれ方には個人差があります。
| シナジス | ベイフォータス | エヌフロンシア | |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 高リスク児 | 高リスク児+12か月未満の全乳児 | 初シーズンの全新生児・乳児+高リスク児 |
| 回数 | 流行期に毎月 | 1シーズン1回 | 1回 |
| 用量 | 体重で計算 | 体重で50mg/100mg(5kgで区切り) | 体重によらず105mg |
| 登場 | 従来から | 近年 | 2026年(最新) |
※どの薬が使えるか・向いているかは、お子さんの月齢や基礎疾患によって決まります。基礎疾患のある赤ちゃんは保険・公費の対象になることがあります。詳しくは主治医にご相談ください。
妊娠中に接種する「母子免疫ワクチン」。2026年4月、定期接種になりました。

アブリスボ(RSウイルスワクチン・ファイザー)
2026年4月1日から、アブリスボは予防接種法に基づく定期接種に位置づけられました。対象となる妊婦さんは原則無料(公費負担)で接種できます(それ以前は自費で約3〜4万円かかっていました)。
抗体製剤(シナジス・ベイフォータス・エヌフロンシア)は定期接種ではありません。母子免疫ワクチンのアブリスボだけが定期接種になっている点が、大きな違いです。
※接種から2週間(14日)以内に生まれた赤ちゃんでは、アブリスボの効果が十分でない可能性があります。下の「お母さんがアブリスボを接種した赤ちゃんの、抗体製剤について」をご覧ください。早い出産が見込まれる場合は、接種の時期を医師にご相談ください。
お母さんがアブリスボを接種した赤ちゃんの、抗体製剤について
■ 接種から2週間(14日)以内に生まれた場合
胎盤を通って赤ちゃんに届く抗体が十分でない可能性があるため、生まれた赤ちゃんへの抗体製剤(ベイフォータス・エヌフロンシアなど)の投与をおすすめします。
■ 接種から14日以上たって生まれた場合
多くの赤ちゃんは、お母さんから受け取った抗体で守られるため、通常は抗体製剤を追加しなくても大丈夫と考えられています。
ただ、お母さんから赤ちゃんへ届く抗体の量には個人差があります。「より確実に守りたい」というご希望があれば、抗体製剤を追加で投与することもできます。追加した場合にどれだけ効果が上乗せされるかを示すデータは、まだ十分ではありません。費用(健康な赤ちゃんは自費)も含めて、医師とご相談ください。
なお、次の場合は、14日以上たっていても投与をおすすめします。
■ ご確認ください
母子健康手帳で、アブリスボの接種日と赤ちゃんの生まれた日をご確認ください。接種したかどうか、いつ接種したかが分からない場合は、医師にご相談ください。
参考:日本小児科学会「日本におけるクレスロビマブの使用に関するコンセンサスガイドライン Q&A(第1版)」2026年9月2日
基礎疾患のないお子さんが希望して受ける場合は自費になります。そのなかで現実的な選択肢についてご説明します。

基礎疾患のあるお子さんは保険・公費の対象になることがありますが、健康な赤ちゃんに抗体製剤を投与する場合は自費です。ベイフォータスは体重で量が変わり、体重5kg以上では用量が倍(100mg)になるため、費用が高くなりがちです。一方エヌフロンシアは体重によらず1回・固定用量のため、費用の見通しが立てやすく、現実的な選択肢になります。さらに、製造元はエヌフロンシアが高額にならないよう配慮した価格方針をとっており、費用を抑えやすいことも大きな利点です。当院では、健康な赤ちゃんの予防にエヌフロンシアをご用意しています。
新生児室・NICUで投与出産後、入院中の投与
外来で投与退院後など、それ以外
※2026年10月6日(掲載日)からの料金です。入院中の料金は、入院中(退院前)に投与した場合に限ります。退院後の投与は外来の料金となります。
※いずれもエヌフロンシア(クレスロビマブ)の自費費用で、税込の金額です。別途、診察料などがかかる場合があります。ご希望・適応については、妊娠中またはご出産の際にご相談ください。
投与にあたって(副作用・リスク・注意)

「かかってから」ではなく、「かかる前に」。
RSウイルスは、いまや予防を考えられる病気になりました。赤ちゃんの月齢・体の状態・ご家庭の状況に合わせて、いちばん合う守り方を一緒に考えます。妊娠中のワクチン接種から、生まれた赤ちゃんへの抗体製剤の投与まで、どうぞお気軽にご相談ください。
0776-54-5757※エヌフロンシアの投与をご希望の方は、必ず事前にお電話のうえご来院ください(お薬の在庫がない場合があります)。
掲載日:2026年10月6日
参考・出典
・Zar HJ, et al. Clesrovimab for Prevention of RSV Disease in Healthy Infants. N Engl J Med. 2025;393(13):1292-1303. doi:10.1056/NEJMoa2502984
・エヌフロンシア筋注シリンジ105mg 電子添文(PMDA/医薬品医療機器総合機構)
・MSD株式会社 エヌフロンシア(クレスロビマブ)製造販売承認取得(2026年6月19日)/新発売のお知らせ(2026年8月)
・厚生労働省 予防接種法に基づくRSウイルスワクチン(アブリスボ)の定期接種化(2026年4月)
・日本小児科学会 ニルセビマブ(ベイフォータス)/パリビズマブ(シナジス)の使用に関する考え方
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個々の適応・可否は診察のうえ医師が判断します。