妊婦に対する新型コロナウィルスワクチンについて(特に医療従事者の方)
2月中旬〜下旬から医療従事者を対象として新型コロナワクチンの接種が開始されます。医療従事者の中には妊娠中の方もおられると思います。日本で接種されるワクチンはRNAワクチンであり、生ワクチンのように弱毒化した生きているウィルスを接種するわけではありません。(生ワクチンは妊婦さんには接種しないことになっています。)
日本産科婦人科学会の見解としては、「中長期的な胎児や新生児への安全性は確立していない」としながらも「妊婦をワクチン接種対象から除外しない」と曖昧な言い方になっています。ただし「妊娠12週未満の妊婦への接種は避ける」ことは明言しています。
妊婦に接種しても安全だと言えるだけの十分な情報が無いというのが現状です。
感染リスクが高い医療従事者や肥満や糖尿病などの重症化リスクのある方はワクチン接種を考える余地があるかもしれません。
詳しくはリンクをご覧下さい。
日本の現状では、妊婦さんの新型コロナ感染は非常に少なく(百数十人程度)重症例は1例のみ、死亡者は海外の流行地域国からの渡航者1例のみです。胎児への感染は非常に希です。
十分な情報が無いワクチンを接種するリスクと、感染することによる重症化、死亡する極めて低いリスクを勘案した上での判断が必要と思います。
ワクチン接種よりも大切なのは、妊婦さんおよびご家族が揃って感染予防に心がけることです。
最終的には個々人の判断に委ねるということになりますが、妊婦の方々はそれぞれの担当の先生と十分話し合った上で決めて下さい。